日本の週末アートマーケット 画家の小道
前にも書きましたが、僕自身を含め、日本にいるとあまり絵画やアートと関わることがありません。
よく「それは日本の家屋が狭くて絵を飾るスペースがないからだ」と言われたりもしますが、それは説得力がありません。日本にも、子どもの表彰状や神社のお守りやアイドルのポスターやスポーツ選手のサインは部屋の中に飾る習慣があります。つまり、物理的に絵を飾るスペースがないなんてことは全くなくて、単純に絵を飾る「習慣がない」ということです。
僕はよく、デザインフェスタ、コミティアなどの大きなアート系のイベントや、池袋西口公園など各所で行われているフリーマーケットに顔を出します。デザインフェスタなどの来場者は若い方がメインですが、フリーマーケットでは様々な年代の方が往来します。
そうした場所で、僕の絵は(少なくとも僕の描いたスプレーアート作品は)年配の方にはほとんど売れません。いや、好感触な感想を述べて頂くこともあるのですが、購入に至ったことはないのです。理由について最初は単純に、若者の方が自分が欲しいと思ったものを買う購買意欲(購買力ではない)が比較的高いためだろうかと思っていたのですが、どうもそうではなさそうでした。
というのは、昨年、池袋西口公園のフリーマーケットに参加したとき、僕のお隣で展示されていた瀧さんのぐい飲みやとっくりは、年配の方にも評判がよく、そして何より、その場で購買に繋がっていたのです。
つまり欲しいと思ったものであれば、年配の方でもお金を出すのです。しかも購買力(要するに財力)は当然ながら若者の比ではありません。
僕の原画作品もその日、若い方や外国の方には実際に購買に繋がりました。しかし年配の方にウケが悪い、という感じもしなかったんですよね。お話をしていて良い感想も頂きましたし、原画ではなくポストカードならご購入頂きましたから。
このあたりの経験で思ったのは、年配の方に絵が売れない(購買に繋がらない)のは、こうしたフリーマーケットで気軽に絵を買うという習慣がないことが大きく影響しているのではないか? ということでした。
習慣。
人間は習慣の生き物である、なんてこともいいますが、慣れているかいないか、というのはとても大きな問題だと思います。
海外(ここで僕がイメージしているのはヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、アジアだとインドネシアのバリのウブドとか。ベトナムも有名らしいですね。)では、街中や郊外で開かれるアートマーケットで、近所の絵描きや写真家がつくった作品を購入し、部屋のインテリアを飾る、ということがとても当たり前に行われています。
僕が以前オーストラリアに短期旅行したときも、街中でパフォーマンスをしていたときは、中学生くらいの男の子が部屋に飾るための絵を買っていってくれました。その絵の売値は30豪ドル(2500円くらい)でしたが、日本でそれくらいの子どもが自分のお金で絵を買う姿って想像がつくでしょうか。
日本でも海外で行われているような、週末に、近所で、気軽に行けるアートマーケットをつくりたい。
と、思っていたのと少し縁があったこともあって、最近はこんな活動をしています。
週末アートマーケット「画家の小道」
場所はJR東日本の巨大なターミナル駅「大宮」から徒歩1分。いや30秒。ほんとにターミナル駅のすぐ近くです。
そして普段から人通りの多い繁華街のど真ん中にあります。
もともと自転車が大量に不法投棄されていた通りを整理し、私有地であるこの通りの持ち主のご厚意を得て、絵の展示や販売ができる場所となりました。
様々な展示でお知り合いになった絵描きさんを呼んだり、SNSで呼びかけたりして、ジャンルを超えた多くのアーティストの作品が見れる場所になっています。
ふらっと立ち寄れるこんな場所があれば、絵を買う、絵を飾るという習慣もどんどん当たり前のものになっていくのではないか。と思っています。
日本は経済的にはまだ一応は先進国と言われていますが、同時に
アート後進国、
文化後進国
という不名誉な肩書も持っています。
アートや文化については「そんなことない!」と言う人もいるかもしれません。
もちろん、何も無いわけではないけど、全くもって足りないのです。
何がって? 日常で得る感性です。無いから気づいていないだけです。
でも絵を展示するような活動をしていると、だんだん変わってきているのかな?という印象を受けることもあります。デザインフェスタのようなイベントがメジャーになってきたのも大きいのかもしれません。
画家の小道も、そんな気軽にアートに触れられる場所の一つになれば良いなと思っています。
画家の小道について詳細はこちら。
毎月やってますし、これからもずっと続けていきますので、お気軽にお越しください。
現在は毎月第三日曜日に必ず開催(時間は11:00~16:00)し、今後そのほかの日にも拡張していきたいと考えています。
ではでは。
P.S.
TwitterとInstagramでは、ハッシュタグ #画家の小道 で今後の情報や過去の展示状況が分かりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
参加費無料、手数料なし、繁華街で人通りが多い、絵を売れる。
— 🎨AKI SPRAY PAINT アキ スプレーペイント クリエイターEXPO E4-77 アート (@AKI_spraypaint) 2019年1月20日
こんな奇跡的な場所を俺は何故一人で占有もせずばんばん宣伝してるかって?
それはこの場所が絵に興味のある人の間でも有名になれば、俺の絵ももっと売れるからです。
シンプルでしょ?
分かったら早く拡散してください。#画家の小道 pic.twitter.com/WAdRbBRdUn