絵描きの日記

考える絵描きの旅の記録や近況報告。

日本の週末アートマーケット 画家の小道

 

前にも書きましたが、僕自身を含め、日本にいるとあまり絵画やアートと関わることがありません。

 

akiartworks.hateblo.jp

 

 よく「それは日本の家屋が狭くて絵を飾るスペースがないからだ」と言われたりもしますが、それは説得力がありません。日本にも、子どもの表彰状や神社のお守りやアイドルのポスターやスポーツ選手のサインは部屋の中に飾る習慣があります。つまり、物理的に絵を飾るスペースがないなんてことは全くなくて、単純に絵を飾る「習慣がない」ということです。

 

僕はよく、デザインフェスタコミティアなどの大きなアート系のイベントや、池袋西口公園など各所で行われているフリーマーケットに顔を出します。デザインフェスタなどの来場者は若い方がメインですが、フリーマーケットでは様々な年代の方が往来します。

 

ところが僕の絵は(少なくとも僕の描いたスプレーアート作品は)年配の方にはほとんど売れません。いや、好感触な感想を述べて頂くこともあるのですが、購入に至ったことはないのです。理由について最初は単純に、若者の方が自分が欲しいと思ったものを買う購買意欲(購買力ではない)が比較的高いためだろうかと思っていたのですが、どうもそうではなさそうでした。

 

というのは、昨年、池袋西口公園フリーマーケットに参加したとき、僕のお隣で展示されていた瀧さんのぐい飲みやとっくりは、年配の方にも評判がよく、そして何より、その場で購買に繋がっていたのです。

抹茶茶碗 ぐい呑み 手作り陶器販売のたぬき窯陶芸工房

 つまり欲しいと思ったものであれば、年配の方でもお金を出すのです。しかも購買力(要するに財力)は当然ながら若者の比ではありません。

 

僕の原画作品もその日、若い方や外国の方には実際に購買に繋がりました。しかし年配の方にウケが悪い、という感じもしなかったんですよね。お話をしていて良い感想も頂きましたし、原画ではなくポストカードならご購入頂きましたから。

 

このあたりの経験で思ったのは、年配の方に絵が売れない(購買に繋がらない)のは、こうしたフリーマーケットで気軽に絵を買うという習慣がないことが大きく影響しているのではないか? ということでした。

 

 

 習慣。

人間は習慣の生き物である、なんてこともいいますが、慣れているかいないか、というのはとても大きな問題だと思います。

 

海外(ここで僕がイメージしているのはヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、アジアだとインドネシアのバリのウブドとか。ベトナムも有名らしいですね。)では、街中や郊外で開かれるアートマーケットで、近所の絵描きや写真家がつくった作品を購入し、部屋のインテリアを飾る、ということがとても当たり前に行われています。

 

僕が以前オーストラリアに短期旅行したときも、街中でパフォーマンスをしていたときは、中学生くらいの男の子が部屋に飾るための絵を買っていってくれました。その絵の売値は30豪ドル(2500円くらい)でしたが、日本でそれくらいの子どもが自分のお金で絵を買う姿って想像がつくでしょうか。

 

 

日本でも海外で行われているような、週末に、近所で、気軽に行けるアートマーケットをつくりたい。

 

と、思っていたのと少し縁があったこともあって、最近はこんな活動をしています。

 

週末アートマーケット「画家の小道」


週末アートマーケット「画家の小道」詳細ムービー

 

 

場所はJR東日本の巨大なターミナル駅「大宮」から徒歩1分。いや30秒。ほんとにターミナル駅のすぐ近くです。

そして普段から人通りの多い繁華街のど真ん中にあります。

 

もともと自転車が大量に不法投棄されていた通りを整理し、私有地であるこの通りの持ち主のご厚意を得て、絵の展示や販売ができる場所となりました。

様々な展示でお知り合いになった絵描きさんを呼んだり、SNSで呼びかけたりして、ジャンルを超えた多くのアーティストの作品が見れる場所になっています。

 

ふらっと立ち寄れるこんな場所があれば、絵を買う、絵を飾るという習慣もどんどん当たり前のものになっていくのではないか。と思っています。

 

日本は経済的にはまだ一応は先進国と言われていますが、同時に

人権後進国

アート後進国

文化後進国

という不名誉な肩書も持っています。

アートや文化については「そんなことない!」と言う人もいるかもしれません。

もちろん、何も無いわけではないけど、全くもって足りないのです。

 

何がって? 日常で得る感性です。無いから気づいていないだけです。

 

でも絵を展示するような活動をしていると、だんだん変わってきているのかな?という印象を受けることもあります。デザインフェスタのようなイベントがメジャーになってきたのも大きいのかもしれません。

 

画家の小道も、そんな気軽にアートに触れられる場所の一つになれば良いなと思っています。

 

画家の小道について詳細はこちら。

毎月やってますし、これからもずっと続けていきますので、お気軽にお越しください。

現在は毎月第三日曜日に必ず開催(時間は11:00~16:00)し、今後そのほかの日にも拡張していきたいと考えています。

 

akispraypaint.tumblr.com

 

 ではでは。

 

P.S.

TwitterInstagramでは、ハッシュタグ #画家の小道 で今後の情報や過去の展示状況が分かりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

 

ユーチューバーはじめました。スプレーアートのYouTubeチャンネル

年初からこれまで出来なかったYouTube動画の更新をしています。

スプレーアートっていまいちメジャーではないし、TV番組などでは紹介されることもありますが、作品よりはスピードとパフォーマンス重視の内容で、スプレーアートの一面だけに注目されていたり。

 

というわけで制作風景をメインに動画で紹介することにしました。

 

今のところ、

月曜~金曜の夜9時に1日1本の周期でスプレーアートの制作風景をアップしています。

土日は展示会だったりでかけていることが多いのでお休みです。すみません。

(平日の更新もたまに抜けると思いますが。。。)

 

動画の編集も、やり続けることでレベルアップしているように自分では感じています。錯覚かもしれません。

 

最初の頃は、作業の内容についてテキストを書いて説明していましたが、最近はそれよりもテンポ良く見れる内容になることを心がけています。だから、もしかしたら動画を見て再現したいのにやり方がわからない、ということもあるかもしれません。。

見ていてこういうところが知りたい!などのご要望があれば、お気軽にコメントしてくださいね。

 

そしてチャンネル登録ボタンをぽちっとお願いします。ぽちっとね。

 

本日も夜9時に#18を公開予定。

#50くらいまではとりあえず、今のペースで公開していきたいなぁと思っています。

 

 

AKI SPRAY PAINTのYouTubeチャンネルはこちら

www.youtube.com

 

最近のおすすめ動画

 


スプレーアートの描き方 #17 世界の端っこ AKI SPRAY PAINT

 


スプレーアートの描き方 #16 海底の風景 海亀と珊瑚 AKI SPRAY PAINT


スプレーアートの描き方 #15 水の惑星 AKI SPRAY PAINT

 

ではでは~。

 

2018年はこんな年

11月の初めからデザインフェスタCOMITIA、路地裏ガレージマーケット、銀座と神楽坂でそれぞれグループ展など、このブログを更新するネタには困らなかったはずなのですが、僕自身も引っ越しをしたり会社を退職したりと、色々とアクションを起こしていた時期でしたので、ブログは全然手が付けられませんでした。すみません。

 

今年。2018年は色々と僕にとって転機となる年でした。スプレーアートをやり始めた去年もそうと言えますが。

 

まずは引っ越し。

あまり住んでいるところは変わらないのですが、引っ越しをしたのはいくつか目的がありました。

そのひとつは、アトリエ部屋をつくること。

 

これまではスプレーで作業するときにベランダを使っていたのですが、今日みたいに大寒波が押し寄せているときや真夏の炎天下では到底こなせません。夜は暗くて何色を塗っているのかさっぱり分からないし、作業できる時間も時期も限られていました。

そこで気候や時刻によらず作業ができるスペースを確保したいと常々思っていました。

 

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アトリエ部屋 

 

これからは思う存分作品を作るぞ。。。!

と、こたつでミカンを食べながら思う今日この頃です。

 

いや、だって。今日はほら、寒波来てるしね。

寒いよ。室内でヒーター付けてても寒いよ!

明日から(いや、年明けから?)。。。頑張ります。

 

※ちなみに室内でスプレーを使うことを心配される方もいらっしゃるかも知れませんが、私の使っているスプレーは水性スプレーといって、よくあるラッカースプレーなどと比べるとほとんど臭いがしません。しかし臭気や体への影響が完全にゼロではないので、部屋の出入り口は密閉できるよう工夫したうえで、部屋の中の換気には注意しています。

 

 

続いて退職。会社を辞めました。

新卒から12年勤めた会社を先日退職させて頂きました。こちらもいくつか理由があるものの、創作活動の幅が膨らんでしまったことと無関係ではありません。その話は、おいおい書いてみたいと思います。

ちょうど絵描き仲間のヒデッキーさんに誘われて参加したガレージ神楽坂で行われた「HIDEKKY GARAGE!! vol.2」の会期と職場の引継ぎで忙しい時期が重なってしまい、あまり在廊できなかったのが申し訳ありませんでした。(^_^;)

 

 

 

 

 

 

 2018年は、昨年始めたスプレーアートの発表の場を広めた年でした。

 

Twitterで知り合ったメンバーで上野のグループ展を開催したり、

ゴールデンウィーク休暇を使ってオーストラリアにバスキングしに行ったり、

デザインフェスタデザインフェスタギャラリー、アート系のフリーマーケットに参加したり、

ターミナル駅の近く、繁華街の真ん中なのに参加費無料の「画家の小道」に出展したり、

画家の小道をSNSで紹介して参加者を募集して開催頻度を増やしたり、

青山、銀座、神楽坂で展示をしたり、

知り合いのお店でボトルと交換で作品を描いたり、

現代アート系の展示会に顔を出してみたり、

上野のグループ展メンバーで、より集客が見込めそうなギャラリーを見つけて展示会をしたり、

 

うーん、箇条書きにすると色々手を出してますね。

来年は今年得た経験を元に、もっとリソースを集約した活動ができるのではないかと思っています。

 

 

 

 

作品自体も、

もともと今年の初めは紙(キャストコート紙というのですが)に描いた作品が多かったのですが、

そのうちキャンバスに描き始めたり、

アコースティックギターに描いたり、

1メートル以上の作品を作ったり、

こちらも出来ることが広がっていきました。

 

今も頭の中にはいろいろアイディアがある状態なので、来年はそれを形にしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

あまり総括になっていませんが、こんな感じの一年でした。

 

目的を持ち、そして継続すること。

これが一番難しいけど、大事なことだと思っています。

来年もそのことを胸に活動を続けていきたいと思います。

 

それでは、2019年が皆さまによって良い年となりますようにー!

自分の絵を人に売れるようにする具体的な3つのポイント

絵の内容は素晴らしいのに、絵が売れない。


それって、絵を買うという文化が日本に浸透していないこともあるかも知れないけど、作品をつくる側にも配慮が足りない部分があるんじゃないでしょうか?

 

この記事では、絵を描く側から行うことができる配慮として思いつくことを書いてみました。

 

 

 

1.紐をつけよう

まず最低限、作品の後ろ側に、作品を掛けるための紐(ひも)を通しましょう。
話はそれからです。わざわざ購入したのに、飾れないものを家に置きたくないですよね。

 

紙の作品であれば、額やフレームの後ろに。
張りキャンバスや木製パネルの作品であれば、木枠の部分に錐(きり) で穴を開けて紐を通せる金具をねじこみ、紐を通すなどしましょう。

 

考えてみてください。
せっかく思い切って買ったこの世にひとつしかない作品に、壁にかけるため、自分自身の手で上手く仕上がるかも分からないのに錐 でグリグリ穴を開けられる人が一体どれくらいいるでしょうか?
買った瞬間から自分の部屋のデコレーションに使えるようになっていれば、これほどの心配りはありません。

 

錐は安いドライバーセットを買えば大抵入っています。
紐を通す金具にはヒートンなどがあります。ホームセンターにも売っていますし、軽量な作品に用いるのであれば、セリアなどのお求めやすい価格のものでも問題ないでしょう。

 

 

 2.サイズを考慮しよう

個人的には「部屋に飾る場所がないから。。。」と言うのは大抵の場合で本当の理由ではないと感じていますが、本当に、絵の内容はとても気に入ったのに、サイズが大きすぎると感じて手に取れなかった、という場合はあるでしょう。

 

僕自身が住んでるのも日本の普通のアパートなので、そうですね、だいたいFの10号(53cm×45.5cm)を超えたあたりから、作品の値段がお手頃であっても、自分のものにすることを躊躇してしまうかもしれません。

 

10号までならいけるかな、と思います。飾る場所にもよりますが。それと、S10号かF10号かM10号かでもだいぶ印象が変わってきますよね。普段アートイベントや展示をしているときの売れ筋の大きさもやはりSMか、1号~4号くらいと小さめです。

 

そうはいっても自分は大きな作品を作りたいんだ!! という人もいると思います。僕も大きな作品をつくることがあります。もちろん、つくりたいようにつくって問題ありません。

 

ただ、お部屋に飾ってもらいたい、という思いもあるのであれば、作品を作り始める前にサイズについても検討しましょう。

つくる作品に幅があることは良いことです。

 

 

3.丁寧な仕事を心掛けよう

明らかに作品の内容とは関係ないキズがついていたり、ホコリがついていたり、
額やフレームにとても味とは言えないキズ・汚れがあったり、ガラスが割れていたり、
パネルの裏側を見れば端材を使ったとすぐわかる作りだったり。

 

そういうのは、作った側よりも、それを自分のものにしようかどうかを検討している人のほうが、よく目に入ってきます。

 

絵の中身も大事ですが、その状態や、使う枠・フレームも、ひとつのパッケージとしてお渡しするんだ、ということを忘れず心掛けてください。

 

 

・・・

 

 

いかがでしたでしょうか。
他にもあるかと思いますが、大事なことは要するに、作品を買って頂ける人のことを考えて、できる配慮をしましょうということです。

 

絵は音楽と同じで、ジャンルも人の好みも千差万別です。
数ある絵の中で、あなたの作品を気に入ってもらえたなら、それだけで奇跡に近いのです。


だからその絵を、気に入ってくれた人に届けられるよう、できることをしましょう。

 

ではでは。

絵画、パフォーマンス。ジャンルとしてのスプレーアート

まずは(勝手に)言葉の定義~。

 

スプレーで描かれた絵と言うと、多くの方がまず想像するのは一般に「グラフィティアート」と呼ばれるものではないでしょうか。

 

1.グラフィティアート:
反社会的チンピラの示威行為・落書き、さびれたシャッター街の活性化、もしくは街や店舗内のオシャレ度アップなどを目的に、壁面にエアゾール式スプレーを主な手段として描写すること。

 

これがグラフィティアート

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これは落書き

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それに対して、徐々に世界で広まりつつあるのが「スプレーアート」です。

 

2.スプレーアート:
作品として残すことを目的に、持ち運びが可能な紙などの平面、もしくは道具などの立体にエアゾール式スプレーを主な手段として描画すること。

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落書きではなくて、ひとつの作品をつくるためにスプレーの特性を活かしたアートがスプレーアートというわけですね。さらに、一言でスプレーアートと言っても、よりパフォーマンス重視で、「魅せる」ことに重点を置いた活動をされている方も多く居られると思います。

 

3.スプレーパフォーマンス:
作品の制作風景そのものをエンターテイメントとして観客に見せることを目的に、エアゾール式スプレーを主な手段として描画すること。

 

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「スプレーアート(またはスプレーペイント)」という言葉は多く場合、この2.と3.をひとまとめの意味で使われることが多いように思います。しかし、僕が思うに、この2.と3.はかなり要求されるスキルが違うんですよね。

 

例えば僕は、もともと水彩や鉛筆・ペン画、CGなどで絵を描くのが好きで、スプレーアートを始める前は、友人の結婚式のウェルカムボードを上手く描くためにひたすら友人二人の写真を見ながらデッサンを繰り返したり、自作のアクション漫画を描いたり、旅に出ればその先の風景を描いたり、毎年画風を変えてその年の干支を年賀状に描いたり、「絵」というものには昔から関わってきたのです。なので、2.の意味で作品を作り上げるためのスプレーアートを行うスキルはそれなりに備わっているのだと思います。
余談ですが先日、原宿のデザインフェスタギャラリーで行った展示会では、元絵描きさんだという年配の来場者の方に「そういった基礎があるから表現が広がるんですね~」と言われたのがとても嬉しかったです。 え? はい、自慢です。


しかし3.の意味のように、スプレーを使ってパフォーマンスをせいと言われると、これがなかなかどうして、何をどうやったらいいのかさっぱり分かりません。

今年の春、オーストラリアで許可証をもらって路上パフォーマンス(いわゆるバスキング、日本語でいえば大道芸)を行ったときには、街を行き交う多くの方に観てもらいましたし、とても充実した活動ができたのですが、しかし実際にはBGMすらかけていないし、僕自身は集中すると周りが見えないタチなので、およそ「パフォーマー」としてのレベルは低かったと思います。
(それでも興味を持って声をかけてくれるんだから、オーストラリア人の日々の精神的な余裕、人生楽しんでる感、自分から楽しもう感、そして面白そうなものへの壁の低さは平凡な日本人男性の僕から見たら羨ましいことこの上ありません。)

 

SNSでお知り合いになった東京都公認アーティストで、たまに活動について談義させて頂くこともあるスプレーパフォーマーのファイターさん(すみません、勝手にブログに書かせて頂きます)のSNS上での言動を見ると、作品の画面上で結果的に同じ表現となる場合であっても、「こっちのほうが描いている風景の見栄えがして盛り上がる」とか「早い」「タイミングが合う」とかそういったことを考えて画法を追及されていることが分かります。

 

俺なんかぜーーーったいそこまで考えながら絵を描くのは無理です。どちらかというとじっくりと、画面上の様子を見ながら制作を進めるのが僕のスタイルなので、作品を描いてる風景はとっても地味です。(YouTubeのAKI SPRAY PAINTチャンネルをご参照ください。)


周りからどう見えているかとか、盛り上がりとか、ここがサビですよ、なんてことは一切考えてません。いや、考えられません。

 

よく展示会とかフリマに出ると、「今日は実際にパフォーマンスはしないの?」なんて一回は必ず聞かれるんです。けど、「絵を描くこと」と「パフォーマンスをすること」はだいぶ違う話なんですよ。同じなのは、スプレーを使ったアートだということだけで。

 

おしまい。

 

自己紹介。AKIとはこんな人間です。

僕は子供の頃から絵を描いたり、工作するのが大好きです。

 

小学校低学年のときにはドラゴンボールの悟空やドラゴンクエストの勇者を描いて友達におだてられたり、ポッキーなどのお菓子の箱で大型トラックを作って地区のコンクールに入賞したりしていました。(入賞理由は「子供らしい」作品だから)

 

クラスで多少、ものを作るのが上手い子って居たと思います。僕もそんな感じでした。友達にも大人にも褒められるので、成長して他の子供があまり絵を描かなくなっても、描く作業や何かを作る作業を続けていました。

 

 

中学生になると、それまで漠然と持っていた「漫画家になりたい」という夢を真剣に考え始めます。

 

その頃影響を受けていたのは、同世代の多くと同じく、少年漫画でした。 

鳥山明ドラゴンボール)や井上雄彦スラムダンク)の作品を見て、なんで白と黒の線だけであんな世界を構築できるのかと感動して、絵の魅力に取りつかれていきました。

 

 

その後、ストーリーをつくるほうの才能は自分には無いなと悟り、漫画家というよりは絵そのものを描き上げる「イラストレーター」のような仕事に興味が移っていきました。

 

しかし漫画を描くにしてもイラストにしても、僕が中学生時代を過ごした90年代後半の日本は、後に「失われた10年」「失われた20年」と言われる不況の真っただ中。

「1999年7の月」で有名なノストラダムスの大予言が持てはやされたり、とにかく、僕の中学時代の日本というのは、ものっすごい雰囲気の暗い世界でした。もういっそ予言の通り世界がぶっ壊れてくれ、と多くの人が思っているような。音楽も漫画も映画も世紀末的な、退廃的なものが多かったように思います。

 

中学生の時分でTVから流れるニュースの全てを把握することはできなかったけど、この世界が暗い、安心できない世界であることは感じていました。

それに加えて、自分が夢を見てしまった漫画家やイラストレーターなんてのは皆さんご認識のとおり、そもそもごく一握りの人間しか成功して稼ぐことはできません。名乗るのは自由だけど、それ一本で生活するなんて成り立たないことが多い職業です。

ダメだったときに一人で自立して生活する術があるのか?

絵を描く仕事にも就きたいけど、自立できないのも嫌だった。親に迷惑かけたくない。

 

だから中学生ながらに、何か仕事に繋がる資格を取っておこうと考えたんです。

手に職ついてりゃ不況にも強いだろう、と。

絵描きはダメでも、食いっぱぐれることはないだろう、と。

 

幸い、数学は得意とは言わなくても割と抵抗がなかったし、小学校のクラブ活動はパソコンクラブでクラブ長だったし、100分の1ミリの加工精度を出す職人気質な世界に漠然とした憧れもありました。それと、機械に実際に触れて仕組みを理解することは将来自分でSF作品を描くときのためになるかも、なんてことも考えていたように思います。

そういうわけで、何かしらの技能士を目指して専門的な勉強が出来るよう、進学先の高校は普通科ではなく、工業系の学科を選択しました。

 

あくまで自分の中の核になるのは「絵を描くこと」でした。

ところが高校の電気の授業で、ダイオードの整流作用がどういう理屈で起こっているのかを学んだときに「へ~面白い」と妙に納得してしまったところから少し人生の道筋が変わります。

ちなみに電気工学や電子工学というのは興味のない人には本当に取っつきにくい学問で、ダイオードの話も割と生徒の人気が薄い授業で行われていたのですが、僕は「仕組み」を考えることになんだか妙にハマってしまい、せっせとノートを取っていました。

 

そうして、もともと自分の夢を叶えるための腰かけくらいに考えていた工学をもっと学ぶため、大学も工学部へ進んでしまいました。僕の高校は工業系以外にも、例えば調理師やファッションデザインなど、様々な専門の勉強をして卒業後には就職する人が多い学校だったので、急に大学行きたいと言い出したときは親も面食らったと思います。

 

大学では生活のメインを工学の授業に費やしながら、一方で部活動に美術部を選択しました。やっぱり絵を描くことが好きなのは変わらなかったので。

ついでに言うと、工学部というのは男ばかりで非常にむさ苦しい所なので、華やかな雰囲気のする美術部なら女の子もいるんじゃないの、なんて淡い期待をしていたのですが、そもそも工学部に在籍する女性の少なさを甘く見ていたため、異性との出会いは叶いませんでした。(工学部しかない大学だったこともあり、僕が4年間に大学関係で知り合った女子学生は2人だけでした。)

彼女をつくるためだけにファミレスでバイトをしました。

 

美術部の活動は楽しかったです。今でも当時のメンバーとよく飲みに行きます。

僕と同じように普段は美術とは違う勉強をしつつ、自身の表現の場を求める人が多くいました。

この大学の美術部というのは、特に油絵をやらねばならない、ということはなくて、定期的に行う展示会やイベントに参加すること以外は、何をしていても、何を企画しても良いというルールで、例えば機械工学科には空き地で金属を溶かして鋳造することによってシルバーアクセ(のようなもの)をつくる奴がいたし、情報系の先輩は作曲することを美術と言い張っていました。(軽音楽部は別であったのですが)

 

そういう環境だったので、今の僕には、「絵を描く」ということも単なる「ものづくり」の手法のひとつという認識があります。

何かを作る、デザインするという意味において、絵を描くことと、電子回路を組んだりロボットを作ったりすることを僕の中では同一視している部分があるのです。まぁ、これはあんまり理解されないのですが。

 

今、僕が手掛けているスプレーアートは、描き始める前の段階が重要な手法です。CGグラフィックのように層(レイヤー)を想定して、どのような順番で描き始めるかを決めるのですが、CGグラフィックのようにはやり直しが効きません。画面に吹き付けられるスプレーの飛沫(しぶき)は毎度違うし、他にも制作中コントロール出来ないことはいくつかあります。そのため事前の準備が大事になってくるというわけです。

僕はそこに、プラモデルのように絵の構成を「組み立てる」面白さを見出しています。僕にとって、絵を描くこととプラモデルを仕上げることは、作業の楽しみ方としては同じなのです。もちろん、完成品の設計図は自分が創り出している、という点で大きく違うのですが。

 

大学卒業後は世の中に関わるものづくりに携わりたいと、製造業へ就職し、縁もあって、クリーンさと高品質が要求される半導体業界の顧客に対して品質保証を行う仕事に長く就くことになりました。

絵は、しばらくは趣味の範囲で描いていて、友達の結婚式があればウェルカムボードの作成を引き受けさせてもらったり、旅に出ることがあれば風景を水彩でスケッチしたりしていました。年賀状も干支を描く手法を毎年変えたりして楽しんでいました。

 

スプレーアートを始めたのは昨年2017年の春頃からで、以前にYouTubeで見た海外の路上パフォーマーを真似してアパートのベランダで実践してみると、思ったより上手いこと描けた、というところからじょじょにハマってしまい、スプレーアート特有の制作スピードの速さも相まってトライ&エラーを繰り返し、年末には趣味の範囲を超えてガチになるに至った次第です。

 

たまに、スプレーを選んだことに何か理由はあるのか?と聞かれます。

一番の理由は出来上がる仕上がりが面白いことです。スプレーという道具があるからこそ可能な飛沫(しぶき)の具合や、すぐに乾くために比較的簡単に作れる層(レイヤー)構造。そういったもので可能な表現、出来上がりを掘り下げることにハマっている最中なのです。

 

僕が今スプレーを使ってよく描いているのは、現実のようで現実ではない風景で、それは自分の中に古くから、子供の頃から今に至るまでに触れたフィクション作品や旅先の情景をまとめて発露したものです。しかし、例えば水彩や油絵のように、筆を使った手法であったら、全く同じものは作っていないように思います。

スプレーだからこそできる表現を楽しんでいるところなのです。

見れば三文の得展 展示会をして気づいたことや、レンタルギャラリー探し

8月末はTwitter繋がりのかずさんいぶかさんとの三人でグループ展、見れば前向きな気持ちになれる「見れば三文の得」展を開催しました。

楽しかったーーー。今年の相変わらずの酷暑の中、お越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

 

やっぱり直に人の反応が見れるのはとても参考になりますね。色々と作品自体をご覧になられて感じたことや、作品の装飾についてリクエストを頂けると、よりお部屋に飾りたくなるような作品の制作に繋がると思うので、とてもありがたいことです。

 

今回、併売しているポストカード以外に、原画の作品数としては計5点お持ち帰り頂くこととなりました。こんな風にどんどん、「絵を売る」そして「絵を買う」という行為が自然のこととして受け入れられていったら良いなと思います。

 

 

 

 

展示を優先するか、買ってくれた人を優先するか

 

実際やってみて、色々と気づいたことがありましたが、作品のお渡しについても一つ課題が見つかりました。

一番大きな作品だと1メートル以上のものを展示作品として用意していたので(それくらいになるとそうそう売れるとは思っていませんが)、今回の展示では作品をご購入頂いた際には住所を聞いて後で搬送しよう、なんて考えていたのです。何よりそのほうが、どの作品も展示期間の最後まで見て頂けますからね。

 

そのため、まともな包装袋を用意していませんでした。これまで、青空で行うフリーマーケットなんかでは包装袋を用意していたのですが、今回はゆっくりと見て頂く展示会なので、最後まで展示しよう、展示したい、という気持ちがありました。

 

しかし、小さな作品(20~30センチくらいの作品)の場合は、その場でそのまま手渡しするほうが、(販売する側の自分に包装・輸送の手間や費用がかからないのはもちろん、)購入する側のお客様にとっても圧倒的に楽ちんなんですよね。住所書かなくていいし、持ち帰ってすぐに部屋に飾れるし。

なので、展示期間の最後まで置いておきたいという気持ちもあったものの、絵を気に入ってくれた方の利便を優先して、作品はその場でお渡しすることにしました。

 

ただ先述の通り、まともな包装を準備していなかったので、見てくれの悪い袋でお渡しすることになってしまった作品があるのは後悔する点でした。自分の気持ちも大事ですが、販売するにあたってはもう少しケースを想像して配慮ができたかな~と思った出来事でした。

 

 

 

 

展示のためのレンタルギャラリー探し

 

今回の展示は新中野駅から徒歩2分のところにあるギャラリーミワ様で行わせて頂きました。

 

グループ展を行うためのレンタルギャラリー、レンタルスペースを探すにあたっては、三人で会議(という名前の飲み会)を重ねていたのですが、高い料金を出せば選択肢は広がるけれど、どこかリーズナブルで条件も良いところはないだろうかという話をしていました。

 

下表は、都内で一日あたり1万円未満というとても手が届きやすい価格で借りることができるレンタルギャラリー、またはレンタルスペースをリスト化したものです。飲み会(会議)にあたってざっと調べたものですが、もし自身で創った作品を展示したいと考えておられる方は、良かったら参考にしてみてください。

 

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※書いてある情報は全て18年3月以前のものです。また、転記ミスや認識間違いが含まれている可能性もありますし、内容を保証するものではありませんのでご承知おきください。

 

ちなみにGALLERY KAZANEさんが(参考)となっているのは、3人を含めたメンバーで2月末にそこで展示をしていたからです。

 

こうして表を作ってみると、リーズナブルな価格という条件で探しても、意外と場所はあるんですよね。けれど、スペースだけあったって、お客さんが来てくれる所でなければ仕方がありません。

これは価格に関係なく、高いところも同様ですが、レンタルギャラリーやスペースっていうのは、実際調べてみると誰にもわかりづらい住宅街の真ん中にあったり、特定の常連さんしか来ないだろうと思われるような場所にあることが多いんですね。

 

たくさん人を呼べるのも絵描きの実力だろうって考え方もあるかも知れませんが、スペースを借りて料金を払う側としてはそれでは納得いきません。もちろん今の時代、自分たちでもSNS等で告知をしますが、お金を払う以上、ある程度の集客が見込める場所でなければ。

 

価格が高くて集客も見込めないとか最低最悪ですよね。

その割に、レンタルギャラリーやレンタルスペースのWeb情報を調べても、「どれくらいの集客が見込めるか」ということについて書いてある所は少ないように思いました。

 

「ショッピングモールに隣接しているので足を運ぶ人が多い」とか、

「老舗なので毎回展示を楽しみにしている常連客を数十名見込める」とかね。

そういうアピールポイントがあれば書けばいいのにと思うんですけどね。

アピールポイント無いんですかね。

 

(もちろんあまりにも嘘だったら信用なくすだけですけどね。) 

 

 

そんな中見つけたギャラリーミワさんは価格がリーズナブルなことに加えて、場所が大通りに面していることと、開放的でお洒落な玄関が飲み会会議での決め手となりました。

 

ギャラリーミワ様

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Googleストリートビューで見たギャラリーミワ様

大通りのとても開けた場所にあります。

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 おかげ様で近隣の方々にも興味を持って頂いた多くの方にご来場頂きました。

また何かの機会にはお世話になりたいものです。

 

 

 

 

P.S.

 

明日9/8は八王子の手仕事アートマーケットに参加します!

お時間ある方はぜひ。

http://www.abbey-road.net/