働きながら、海外でバスキングする方法
オーストラリア・メルボルンに行き、ストリートアートの本場を観光するついでに自分もバスキング(路上パフォーマンス)を行おうと決めた翌日、具体的な旅のプランを決めました。
なんたってこれからやろうとしてるのはただのバスキングではありません。
ふつうは何週間か、何カ月か、ある程度余裕のある旅の期間、滞在しているうちに行うものだと思うけど
これからやるのは
なかなか長期休暇の浸透しない過剰な労働を美徳とする日本のしがないサラリーマンがたった4泊6日の貴重な連休にねじ込む弾丸バスキングツアーです。
ふだんは旅行に対して
「わざわざ予定を立てるなんてのは鬱陶しぃーーー。あそこ行ってこれやってあれ食べて、なんてなーんで休みの日にそんな予定詰めて行動せなならんのや」という考え方しかしないAKIなのですが、
今回はうまく予定をこなしていかないと自分が存分にバスキングをするためにはとても時間が足りないぞ、と考えていました。
実際にこなした旅程はざっくりこんな感じ。
4/30(月) 市街観光、画材屋さんでスプレーを現地調達、ビクトリア美術館観光
5/1(火) 市街観光、PM2時 安全講習受講・認可証ゲット、夕方ちょっとだけバスキング
5/2(水) 一日中バスキング
5/3(木) ホテルチェックアウト、一日中バスキング、夜に空港へ移動
5/4(金) 深夜0時便でメルボルン発→日本帰着
実質バスキングに費やせた時間は2日ちょいでした。
※今思えばもう一泊か二泊してきても良かったかも知れません。(GWなので一泊増やすごとに飛行機代が跳ね上がるのですが)後からそう思えるくらい、良いバスキングの体験をしました。
バスキングを行うためにメルボルン・シティからもらえるパーミット(認可証)は期限が3ヶ月(申請料$10)か1年($20)かを選択できます。(※物販もする場合はさらに追加で$50)
最低で3ヶ月間。
つまり、1週間未満でパフォーマンスしようだなんて奴のことはもともとあんまり想定されていないのです。
加えて、受講が必須で、その場でパーミットを手渡ししてもらうための安全講習(と勝手に略して呼んでいるが、正しくはSafety, Amenity and Performance Review)も二週間に一回しか行われていません。
短期旅行でバスキングを企画する人は、まずはこの講習が自分の旅程の範囲で行われているかどうかを確認しましょう ☆彡
そんな酔狂な人がそうそういるかわかりませんが、まぁこの記事は、そんな人がいたときのことを考えて書きます。
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ところで、バスキングについては許可を取らないで「いいから、やっちゃえやっちゃえ」的な勢いでライブを行う違法バスカーが世界各地で問題になっているようです。(日本人でも外国人でも)
場所によっては周囲の迷惑でなければ、現実的に罰せられることはないという場合もあるかも知れません。しかし、
基本的にバスキングをするときは、許可制度のある街または地域を選び、その場所でパーミットを取るにはどうすればいいか、事前に確認しましょう。
ばれなきゃいい、という考えを持つ人もいるかもしれませんが、「お金を稼ぐ正当な地位を有していないのに、お金を稼ぐ」という行為は立派な不法就労ですからね。世の中、なんでこんなルールがあるん?って思うこともあるかもしれません。でも、不法就労については間違いなく自分が滞在している国の人達に迷惑となるのでやめましょう。
正直メルボルンでも、あれ、もしかしてこの人許可取ってなくね?というグレーな人とも話をしたりしてたんですが、
「万引き目撃したから自分も万引きしてOK」とは考えないですよね。
必要なルールを守らない人が増えれば、それだけ世の中の取り締まりは厳しくなるものです。それは、パフォーマンスをしたい、表現をしたい自分たちのような人間の首を絞めることにもなります。
というわけで、僕は事前に許可を取りました。
Pavement Art (街頭絵描き)のバスキング・パーミット。
行く前にネットで申請した期限は三ヶ月。
しかし、、、一年のほうにしておけば良かった~~!!
メルボルンのパーミットの取り方は単なる旅行者であっても、とても簡単。
自分のパフォーマンスや表現をしたい人にとってはとても魅力的な、整った環境を持つ場所のひとつだと思います。
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ネットを使ったパーミットの申請と講習の予約の仕方については、ほかのブログ等でも書かれているので調べてみてください。(このブログでも後日わかりやすい形で書きたいとは思いますが。)
タイミングが合う講習の予約が取れればあとは簡単。
当日この建物に行くだけです。
Council House 2, 240 Little Collins Street
(※自分で撮った写真があまりに下手なので、片方はGoogleストリートビューより↑)
ちなみに
建物に入ると、まずは係の方に台帳に名前を書くよう促されます。僕が待ち合いのフロアに入ったときすでに何人かの志望者がいましたが、その後もぞくぞくと入ってきて、最終的には30人くらいがまとめて受講しました。
人種もヨーロッパ系からアジアン、ヒスパニック、アフリカンなどさまざま。
この講習の場で自分のパフォーマンスを披露する必要はない(と事前連絡にもしっかり書いてある)のですが、なんだか普段着?からして普通じゃない人も。
・・・みんな面白そう。
ここにいる人みんなアーティストで、自分とおんなじ目的でこの場にいるんだな、と思うと、オーストラリアに来て感慨深いものがありました。
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航空会社やホテルの予約、空港からホテルまでの移動とか最近だと海外WiFiのレンタルなどなど、海外旅行の基本的な準備とは別に、
この短い期間でバスキングをするためにはいくつか確認しておく必要がありました。
大きくは次の2つ。
1.画材屋さんはどこにあるのか?
2.どこでバスキングをするのか?
1.画材屋さんはどこにあるのか?
僕がバスキングで披露しようとしていたのはスプレーアートです。
そう、スプレーを使わないといけないのですが、
高圧ガスが充填されていて、爆発の危険性があるスプレー缶は、機内持ち込み・預け入れともに不可。
・・・
で、どうしたかといえば、
パフォーマンス期間2日間のためだけに現地調達することにしました。
しかし知らない街ですぐに自分が欲しいものの買い物ができるかわかりません。
現地に到着してからの時間を無駄にしないために、ネットで目ぼしい画材屋さんの場所をチェックしておく必要がありました。
※ちなみに、メルボルンには日本の100均ショップ ダイソーもあるので、安価なものが買えないかと一応こちらも店舗の場所をチェックしていたのですが、ダイソーでは塗料スプレーを見つけることができませんでした。 残念。
結果、利用した画材屋さんはこちら。
親切なお兄さんが対応してくれました。
Eckersley's Art & Craft
可能な表現を増やすためには色数揃えたいけど、あんまり買いすぎても使い切れるはずがありません。制作する作品のイメージと照らし合わせて選び抜いたこの5色を購入しました。
しかしこっちのスプレー缶は何故こんな外見のデザインが格好良いのか(*´Д`)ハァハァ
持ってるほうもテンション上がりました。
2 どこでバスキングをするのか?
場所についても、時間があればのんびり自分に合った場所を探してバスキング生活を謳歌するが良いのですが
僕にはたったの二日間しかありません。
のんびりと
あっちにしようかな?それともこっちにしようかな~?
なんて選ぶ贅沢は僕には存在しなかったので、
こちらも事前準備というか、ある程度目星をつけておく必要がありました。
オーストラリアに滞在している日本人画家エンドウシノブさんにブログを通していろいろ教えて頂いたり、Googleストリートビューでちょっとだけ雰囲気を捉えてみたりして、
最終的に僕が選んだのは
セント・キルダ・ロードのビクトリア美術館前と、
人通りの多いシティにあるスワンストン・ストリートのふたつ。
その理由や、それぞれの場所で、実際バスキングをしたときの成果などは、(長くなってきたので)また後日。
ではまた
作品のバックボーンを示すこと
先日メルボルンに短期旅行したときは面白いように絵が売れました。
自分が気に入ったものならお金を払って絵を買うっていう行為が、オーストラリアの人たちにはとても自然な感じ。
でも日本だって、上から下までみんな絵が好きな国のはず。
ただ、
実際に販売をしていると、単に「その絵が好き!」⇒だから買おう、という流れになることは少ない気がします。
なんというか、
日本人独特の感覚ではないかと思うのですが、
「どれが好きか(自分的に価値があるか)」
ではなくて
「どれが正しいか(世間的に価値があるか)」
で考える人が多い気がします。
「絵はわからない」という言葉を発する人の多いこと。
好きと思ってくれたら買ってってくれればいいのにね。
もちろんメルボルンでも、対面で話をしたり、その場で絵を描くパフォーマンスをしていたので、ただ単にその絵を気に入っただけでなく、僕のことを「応援したい」という気持ちで買っていってくれた方もいたと思うのですが。
現状、僕は日本で絵描きをしていて、日本で絵を売っている。少なくとも日本では、単に僕の絵を好き!と思ってもらえただけではそこからなかなか購買に至らない。
※・・・購買って書くと抵抗のある人もいるでしょうか?でも真剣に創作活動を”継続”することを考えたときに、絵の需要と供給について考える必要はあると思うのです。
もういっそ土台を日本から移すってのも手ではあるけど。それ一択なのは悲しい。だから、皆さんもっとアートにお金をまわしてください。(正直)
なんとか日本で絵を売れるようにするにはどうすればいいか?
日本にはアートを買う文化が無い!!
と嘆くのは
事実だとは思いますがアホらしいので
なんとか出来ることはないかなといろいろ考えたんです。
そのうちの方法のひとつとして、
まずは、自分を知ってもらうことが必要かな、と思いました。
今もやっているつもりではあるけど、もっともっと。
自分を。作品ではなくて自分(作品のバックボーン、背景、背骨。)を示す。
で、作品を売る。
僕の場合は、ずっと絵を描いてそれを仕事にしてきたわけではないけれど、ずっとモノづくりの世界に携わってきたというバックボーンがあります。
「あなたが気に入ってくれたこの作品は
こんな足跡を踏んできた人間が
こんな思いで描いたものなんですよ」って
プレゼンすることが、価値になる。
と思ったので、
自分のバックボーンについてつらつら書いておきたいと思います。
・・・今後ね。
・・・近いうちに。
怠け者です。すみません。
ご興味を持って頂いた方は、まずはホームページのプロフィール欄にあるバイオグラフィー、良かったら見てみてください。↓
ではでは
メルボルン弾丸バスキングツアーを記す
2018年5月、ゴールデンウィーク休暇を使ってオーストラリア・メルボルンへ行ってきました。
僕は普段、ほとんど旅行に興味がありません。
行ったら行ったで楽しむと思いますが、なんだか、ただ有名な場所に行く、風景を見る、というだけではふんぎりがつかない出不精なのです。
ちょくちょく旅行に行く人の感覚がわかりません。
だから前回の海外旅行に行ったのは、もう3年も前、しかもプライベートでは初めての海外で
「ちょっとスコットランドでスコッチ飲んできます」
とFacebookに投稿していいねを貰いたいがためだけにスコットランドの首都エディンバラまで行って以来でした。
※「スコッチ」とは、日本でも人気のお酒ですが、スコットランドにおいてのみ製造されたウィスキーを指します。帰国後はちょうど当時放映していたNHK朝ドラの影響でしばらくあだ名がマッサンでした。
本場でウィスキー(ワインじゃないよ)のテイスティングを学んだり、夜のエディンバラでバーめぐりをしたり。酒好きにはたまらない経験だったなーーー。
※スコッチウィスキーエクスペリエンス。スコッチの製造工程がわかる博物館。入場すると最初にディズニーランドばりのライドに乗り、ウィスキーの精?のおじいさんがスコッチについて教えてくれる。その後は奥の部屋で各地のスコッチをテイスティングしたり、最古のスコッチを拝んだり。スコッチ、スコッチ。
※スコットランドの地ビール ブリュードッグのビア・バー。ビールを撮ろうとしていただけなんだけど、自らフレームに収まってくれたノリのいい店員の兄さん。くすっと笑える思い出をありがとう。
・・・と、スコッチとビールの話がだいぶ長くなってしまいましたが、
このように、
割と明確な目的(例:スコットランドでスコッチを飲む)がないと
なかなか動けない、ふだんはインドア派でエアコンの効いた部屋大好き人間の僕が、連休中の旅行先をメルボルンに定めた理由。
それは
芸術の街メルボルンの
ストリートアートを堪能すること
そして
自分自身で路上パフォーマンスをすること
もともとの目的はひとつ目だけでした。
ストリートアートが観たいという理由だけでオーストラリア旅行を決断していました。
スプレーアートという表現を選び、活動を始めて数ヶ月。
「どこかで、世界の本場の表現を見ておく必要があるんじゃないの?」とそれらしい理由を掲げて連休中の観光先を探していたんです。
スプレーを使った作品、どうせなら街全体で盛んなところがいいな。
それならやっぱりストリートアートだ。
ストリートアートをこの目に焼き付けたい。
日本でも、原宿とか渋谷とか、または都会でなくても行くとこいけば、街中に絵は描かれています。
中には素晴らしい作品もあるかも知れないけど(そりゃゼロじゃないだろうけど)
皆さんもそうではないかと思いますが、日本で普段目にするストリートアートっていうのは、
基本、
せせこましい!!
描くならちゃんと描け!!!
と思ってしまうような状態のものばかり。
急いで描いてるんだろうけど、それにしたってさ~。
(※仮にどんなに素晴らしい作品であっても、無許可で描くのは許されない、ということはもちろん承知しております。)
こういうホントの落書きではなくて、丹精込めて作られた壁画をたくさん見れる場所はないだろうか?
・・・
ググったらいっぱいあった。
ストリートアートで有名な街。
オーストラリア・メルボルン、
ドイツ・ベルリン、スペイン・グラナダ、
マレーシア・ペナン、台湾・台北・・・・・・
フランス・パリ、タイ・バンコク・・・・・・
・・・この中で僕がメルボルンを選んだのは、
路上で大道芸人さんや歌手、演奏家や絵描きがパフォーマンスをするバスキングの環境がとても整っていたり
毎週末各地で地元のアーティストによるアート・マーケットが開催されていたり
(日程上行けなかったけど)
街のヴィクトリア国立美術館には現代アートを含めた7万点もの作品が揃っているなど
ストリートアートだけじゃない、
「芸術の街」と呼ばれるこの場所に興味を持ったからです。
ぜひこの街の雰囲気を堪能したい!!!
というわけで、もともとは街の観光、特にストリートアートを訪ねるのが旅の主題でした。バスキングについては「ふーん、世の中いろんなことやる人がいるのねー」くらいにしか思ってませんでした。
でも色々と調べていくうち、、、
(旅行に行く前のあき)
へー、いいな。メルボルンってとこは街をあげて路上パフォーマーを盛り立ててるのか。
街公認で、申請が通りやすいから、パフォーマーさんは堂々と表現できるわけだ。
バスキングって初めて知ったけど面白そうだな。
日本じゃ都内とかで許可が下りる場所はあるけどあり得ないくらい狭き門だし、
真面目に申請出しても取り合ってくれる所がないから駅前とかで歌ってる人の99%は無許可だもんな。(ソースなし)
路上パフォーマンス楽しそう~。
・・・結構、向こうに住んでる日本人のバスカー(バスキングする人)も多いんだ。
日本語のブログで手続きとか体験談を書いてる人も結構いる。。。
なるほど、なるほど。
・・・
あれ、これ簡単じゃね?
パーミット(許可証)取るのに必要なのがたった10豪ドル(800円くらい)?
(※期限3カ月の場合。CDなど物販も行いたい場合は+50豪ドル。)
外国人でもネットで申請するだけ?
行こうと思ってる日程(ゴールデンウィーク)の前半に、2週間に一回しかない安全レビュー会(受講必須)があるのか。。。
(↑たまたま超ラッキー)
・・・
・・・
高い金払って旅行するんだし。
ぽちっとな
そんな感じで旅の中身は
優雅なストリートアート探索ツアーから
あんまり時間に余裕のない弾丸バスキングツアーに。
・・・
役に立つものかわかりませんが
このブログでは
なかなか長期で外国に行ったり住んだりするのは厳しいけど、
あきと同じようにバスキング(路上パフォーマンス)に興味をもった人が日本のどこかにいた場合に備え、
自分がやってきたことを記していきたいと思います。
ではでは
2018/6/6、関連記事を追加しました。
春の連続イベント終了。青山風景画グループ展、オーストラリア弾丸バスキングツアー、そしてデザインフェスタ Vol.47。
デザインフェスタ Vol.47 終了…!
出展者、ご来場の皆様、そしてスタッフの方々、お疲れ様でした^^
この春は、
お誘い頂いた青山外苑前 Art & Space ここから 様での
風景画展(4/24~28)にはじまり、
オーストラリア メルボルン 弾丸バスキングツアー(4/29-5/4)、
それに続いてデザインフェスタ Vol.47 両日参加(5/12-13)と、
だいぶ予定を詰め込んでしまった期間となりました。。。楽しかったけど。
(※バスキング=要するに路上パフォーマンスです)
風景画展
バスキング
デザインフェスタ Vol.47
特に、観光中に現地の安全講習を受けライセンスを取り、
残り滞在期間 実質2日間のためにバスキングを実行した人って、
・・・あんまり居ないんじゃないでしょうか。(←自慢)
ふだん普通の会社員なもので、
GWや長い休みを使って
こんな不効率なスケジュールを組まないと、
やりたいことが実現できないのです。。。
といっても、
最初はアートの街 メルボルンで、
スプレーで描かれたストリートアートを
勉強がてら観光するだけのつもりだったのですが。
色々調べてみると、
受けなきゃならない安全講習の日程も合ったり、
日本人の方のバスキング体験がブログで閲覧できたりと、
ラッキーな状況が続いて実現できた経験でした。
また行きたいな~。
実際バスキングをして体験したことや、
オーストラリアで見たストリートアートなどは、
後日このサイトやFacebookページで
公開したいと思いますので、お楽しみに。
オーストラリアのことばかり書きましたが
風景画展もデザインフェスタも、
出会いあり、気づきあり、嬉しいご感想も多数ありで
とても充実した結果を得ることができました。
イベントに足を運んでくださった皆様、
本当にありがとうございました…!
P.S.
ちなみに次の日曜日(5/20)も、
ふだん在住している埼玉県の大宮駅近くで、
「画家の小道」というイベントに出展します。
これで毎週連続して展示やイベントがある時期は、一旦終わりです。笑
ではでは